大人が子どもをだめにした。子どもの辞書に、「はい」を取り戻そう。
小学校の学級崩壊が叫ばれて久しいし、担任の先生による体罰も頻繁に報道されています。
残念ながらなぜ体罰にいたったのかということまでは、あまり詳しく報道されていません。
学級崩壊の主たる原因の一つが、子どもの徘徊と聞いています。
徘徊する子どもは何のとがめもないのでしょうか。
徘徊する子どもがいれば、学級担任の先生はその行為を注意しているはずです。
しかし子どもは、先生の注意に耳を貸すことはない。
それはなぜ?
小学校に入学した時点で、いや、もっと以前から子どもは、大人の言うことを聞かなくていい、ことをしっかり学んでいたのでしょう。
子供たちにとって大人は言うことを聞く対象ではなく、言うことを聞かせる対象でしかないのかも知れません。
話は変わりますが、
私の診療所に、歯が痛いといって来院する子の中に、口をあけてごらんと言うと、「いや!」と言う。
横にいたお母さんがその子に言うには、「先生に見せてあげて」です。
この意味わかりますか?
私は自分が決してえらいと思って言っているのではありません。
しかし痛いのは子ども自身で、それを治してもらうのが先生です。
むし歯になっている歯を、お願いしてまで見たいとは思いません。
子どもに親が言うべき言葉は、「診ていただこうね」のはずでしょう。
定期健診で来院する子に、「さあきれいな歯を見せてくれる」と言うことはよくあります。
このとき私は、きれいな歯を見せてほしいと思ったから、「見せてほしい」と言っているのです。
治療が済んだ後、私は子どもに、「治療したところ、お母さんに見ていただこうね」と言います。
決して見せてあげてとは言いません。
親や大人は、子どもたちと対等であるか、目上の人なのです。
悪ガキの奴隷ではありません。
子どもを守ることは、子どもの言いなりになることではありません。
私が小学校のとき、近所にこわいおっさんがいました。何か悪さをしていると、「こら!」とよく怒鳴られました。今、こんなおっさんいませんね。
なぜいなくなったか、なぜ子どもが事故に遭ってもみんな知らん顔しているか考えたことありますか?
みんな親に文句言われるのを警戒しているのです。余計なことして、と言われるかもしれないと不安があるのです。悪いことを子どもがしたとき、親がしっかりしかっていれば、隣のおっちゃんが怒ってもそれが悪いことと気づくでしょうが、親が怒らないのに隣のおっちゃんが怒ると、それはオチャンが悪いことになるのです。
いい事をすればしっかり誉め、悪いことをすればきちんとしかる。
いかがお考えですか?
これも子どものむし歯予防と大いに関係することおわかりですか!考えてみてください。
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