進行止めを塗ってもらったら、歯が黒くなってしまった。
小さなお子さんの場合、治療が難しいためなのか、進行止めを塗るケースがよくあるようです。
この薬を塗ると、むし歯の部分と反応して、歯が黒くなります。
時には、フッ素を塗ってもらったが、歯が黒くなった、と相談を受けることもあります。
フッ素で歯が黒くなることはありません。またフッ素はむし歯のところに塗っても、進行を抑える効果は期待できません。
フッ素は主に歯のエナメル質を強くするものです。
また少し弱りかけている歯なら、歯質を再石灰化することも出来ます。
歯医者さんがむし歯の歯にお薬を塗るとき、「進行止め」、とか「フッ素」といわれるものは、サホライド(商品名)というものです。
この薬は、むし歯になった部分と反応して、歯を強化し進行を抑制する効果があります。
(むし歯の進行が止まるわけでは決してありません。)
しかし、残念ながら歯の色が黒く変色します。
黒くなるのがいやだというのは、誰もが同じでしょうが、どんどんむし歯が進行するのも困ったことです。
塗るか塗らないか、どちらを選択するかは、判断の分かれるところでしょう。
私はお母さんと相談し、食生活の改善など、むし歯の進行を抑える努力をしていただくよう約束をしていただき、サホライドという薬を前歯に使うことはめったにありません。
食生活の改善で、むし歯の進行を抑え、時期が来れば白い詰め物や、かぶせるようにします。
下の写真を参考にしてください。左はサホライドでむし歯のところが黒くなっています。右はその子の治療後です。