歯ぐきから上唇につながる襞のことを、上唇小帯と言います。この写真のように歯のすぐ際までくっ付いていることがあります。このような場合、歯と歯の間に隙間が出来るので、早めに切除すべきと言う意見がありますが、私は永久歯の歯並びに影響するかどうか判断しなければいけない、6〜7歳まで待ってもいいのではないかと思います。しっかり咀嚼していると、自然に改善されることも多いためです。ただし、このようになっていると、歯の際に汚れもたまりやすく、歯磨きをするのにかなり邪魔になるので、ていねいに磨くようにしなければ、すぐにむし歯になってしまいます。磨く時は、右と左に分けて1本づつ磨くようにして下さい。2本まとめて磨くと襞に傷がついて、痛がり歯磨きを嫌がることになります。

上唇小帯、隙間

左の写真のお子さん(1歳)は、歯磨きをすると痛がるとのことでしたが、歯ブラシを左右に大きく動かしていたため、上唇小帯に傷がついています。これでは痛くて歯磨きを嫌がるのは当然でしょう。このような時は、正面の歯を2本一緒に磨くのではなく、右と左それぞれ別々に磨くのが、歯ぐきを傷つけない磨き方です。

小帯について、私が所属する会のホームページにも掲載しています。ぜひ参考にしてください。
小帯に関する全国小児歯科開業医会の考え方

下の写真の緑の矢印の部分に、歯ブラシがあたらないようにすることが大切です。ココにあたると痛くて歯みがきを嫌がります。青い矢印の個所に汚れがたまりやすいので、ココに注意しながら右と左の歯を、それぞれ1本づつ別々に磨くようにしましょう。二本の歯をまとめて磨こうとしてはいけません。歯ブラシの動きは、この場合横に動かすより、上から斜め下に動かすと汚れも取れやすく、襞の部分を傷つけずにすみます。

歯を磨く時の注意

上唇小帯矢印

上唇小帯付着異常

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