母乳育児と哺乳ビン育児、どちらがむし歯が多いか?
「母乳はむし歯にならない」と言うのは間違いで、母乳もむし歯の原因の一つです。
じつは、母乳育児の子どものほうがむし歯が多い、という研究結果が学会で多く発表されています。
では母乳で育った子どもにむし歯が多い、とされている根拠はなんだろう。
それは、母乳の子どもは好きなときに母乳をもらうことが多く、それが離乳食も含めた食生活でも、欲しいときにいろんなものを口にする習慣がついているためだということです。
一方哺乳ビンで育っている子どもは、たとえ欲しいといってもすぐにどこででももらえるわけではなく、結果として我慢することを覚えていきます。そしておやつなどもすぐにもらうことが少なくなるのでしょう。
規則正しい食生活をするものと、乱れた食生活をするものの差と考えると、理解しやすいと思います。
規則正しい食生活をしているとむし歯が少なく、食生活に乱れがあるとむし歯も多くなるということです。
特に離乳食を食べ始めるころになると、食事も母乳もだらだらもらうとか、ちょくちょく与えるようなことは、避けるようにしたいものです。このころはちょうど、上の前歯が生えてくる時期になります。
このことを理解していれば、母乳育児でもむし歯を作らないようにすることは簡単です。
母乳以外の食べ物や飲み物を口にするようになったとき、ほしがるままに与えないで規則正しい与え方、簡単に言えば、3食以外はせいぜい1~2回以上物を口にさせないことです。
ただし水分補給は必要なので、お茶と水は別ですが。
皆さんがよく与えておられる、果汁100%というのは、ほとんど砂糖が入っていることを知っておられますか。
1歳を過ぎても母乳を続けてもらっている子どもで、むし歯を作ってくるケースのほとんどは、市販のジュースやお菓子を頻繁にもらっています。
母乳を続けるのなら、市販のものを与えない努力をするようにしてください。
そうすれば、むし歯になる危険も少なくなるでしょう。
市販のお菓子やジュースを与えるのは、卒乳してからにしましょう。