私の大失敗

二人以上のお子さんがいる家庭では、おやつの種類は、歯の質の弱い下のお子さんに合わせるようにしましょう。
上のお兄ちゃんやお姉ちゃんと同じものを食べていると、下のお子さんの歯はすぐにむし歯になってしまいますよ。

先日初診で診せていただいた、1歳のお子さんのことです。(下の写真を見てください)着色のように見えるむし歯
お母さんは、お子さんの歯が少し着色しているだけと思い、汚れを落としてもらおうと受診されました。

しかし診てみると、色が着いているのではなく、むし歯になっていたのです。
しかも歯の裏側にはかなり深めのむし歯がありました。むし歯が深いと歯の神経の治療が必要になることがあります。ところが1歳のお子さんの歯は、歯の根の部分が未完成なので、神経の治療はうまくいかないこともよくあります。
出来ることなら、根が完成するまで何とか時間を稼がなければなりません。

実はこのお子さんの上のお子さんは、私たちの患者さんとしてすでに受診しておられました。お姉ちゃんと一緒に来ていたはずなのに、親御さんも、まさかこんな小さな子どもにむし歯ができるとは、思っておられなかったのでしょう。

私たちは日ごろから、お兄ちゃんやお姉ちゃんについて来院される赤ちゃんを見つけると、早めに一度診ておきましょう、と声をかけるようにしてきました。
それはこのような失敗をなくすためだったのですが、この子の場合、われわれもうっかりミスをしてしまいました。

この1歳のお子さんに申し訳ないことをしたと反省しています。
これからは今まで以上に赤ちゃんを見つけたり、お母さんのお腹が大きくなっているのを見つければ、1歳前には一度口の中を診ておきましょうと、声をかけるようにします。
皆さんもお子さんが1歳になる頃には、小児歯科医の診察を受けるように心がけてください。
何もなければそれで安心できることでしょう。
もしも何か異常があっても、早いうちに発見できれば、十分時間をかけて余裕のある対応が出来ることと思います。

もちろん1歳前でも、何かおかしいなと思えばすぐに受診してください、決してもう少し大きくなってからなどと思わないようにしてください。
                         
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