乳幼児にイオン飲料は必要ですか?

イオン飲料は病気の時の薬と思えばいい!

発熱や下痢をして脱水症状を起こさないように、水分の補給はとても大切なことです。
このときイオン飲料を利用することは、飲みやすさから見ると水よりはやや優れている、ということにとくに異論はありません。
しかし、日ごろから水分補給の目的で、イオン飲料を利用するのはまったく同意できないことです。
水を飲んでいれば、水分補給は充分出来ているのです。
発熱や下痢というのは、病気です。イオン飲料は、このような病気のときの薬と考えればいいのです。
しかし、脱水症状を改善できるほど、効果は期待できません。
水よりも口当たりがいいので、飲んでくれやすいという利点で採用する程度です。
風邪をひいて小児科にかかると、抗生物質を飲ませるように指示されることがあるでしょう。
しかし、風邪が治った後も抗生物質を飲ませ続ける親は一人もいないはずです。
飲みやすいイオン飲料は病気のときに与え、元気になれば水分補給は水にしてください。
しかし、実際に脱水症状がひどくなったときは、イオン飲料などでは水分補給は間に合いません。
水分吸収率のいい、経口補水液を飲ませるようにしてください。

左下の写真は1歳10か月のお子さんのもので、イオン飲料をよく飲んでいたそうです。
母乳も最近まで与えていたそうですが、むし歯の主な原因はイオン飲料に違いないのです。
理由は、右は双子の姉妹の写真ですが、むし歯はありますがひどくはなっていません。
二人の違いは、イオン飲料を飲む頻度や時間の長さだけでした。





日本小児歯科学会がイオン飲料に関する考え方の中で、乳幼児に対してその対策の一つに
『過激な運動や極端に汗をかいたとき以外は、普通の水を与える。』
としています。
これは、過激な運動や極端な汗をかいたときは、イオン飲料を飲ませてもいいが、それ以外はお水にしましょうということです。
イオン飲料が、子どものむし歯の原因にならないようにするためでもあります。

しかし、乳幼児の過激な運動とはどのような運動を意味するのか?
極端に汗をかくとはどのようなときなのか?

乳幼児が過激な運動をするわけもないし、また極端に汗をかくときとは、高熱を出すなど病気のときぐらいでしょう。
だから
乳幼児がイオン飲料を飲むのは、病気のときだけにしましょう。元気になれば止めましょう。
といえば一般の皆さんにも解りやすく、親切な説明だと思います。

しかし実際に子どもが脱水症状を起こしたとき、市販のイオン飲料はあまり水分補給に適さないでしょう。
経口補水液が必要なこともあります、塩分と糖分の濃度の関係で、水分の吸収率が異なるためです。

皆さんのお子さんが、普段公園などで遊んで汗をかくような動きはすべて、水で水分補給が出来るのです。
ただ乳幼児は生水は避けるようにするのが賢明です。湯冷ましやお茶をあげるようにしましょう。
間違ったイオン飲料の与え方をして、むし歯を作ってくる子どもさんがけっこういます。
小さな子どもたちが、むし歯で困らないようにしてあげてください。

                

      メニューに戻る         
トップページに戻る