歯の間のどこにむし歯ができるのかを知ろう
そうすれば、どこをデンタルフロスで磨けばいいのかわかります
歯と歯の間(隣接面)はむし歯になりやすいところの一つです。
またここからのむし歯は、見えない場所から出来てくるため、小さなうちに発見することは難しいのです。
歯の間からのむし歯を予防するのには、歯ブラシだけではだめで、デンタルフロス(糸ようじ)という糸を使う必要があります。歯ブラシでは届かないところからむし歯ができるからです。
またデンタルフロスを使うとき、ただ糸を歯の間に入れたり出したりするのではなく、歯のくっ付いている面をしっかりこすることが大切です。使い方も人それぞれまちまちの使い方をしているようです。
どこをこすればいいのかを知るには、どこからむし歯ができるのかを知ればいいのです。
むし歯のできる場所を知って、その部分をしっかりデンタルフロスでこするようにしましょう。
フロスに関してよく耳にする誤解があります。それは、フロスを使うと歯に隙間が出来るというものです。
フロスを使っても歯に隙間が出来ることは、決してありません。
ここに一枚の写真があります。この写真に写っている6才臼歯は、歯の間からむし歯ができはじめています。
たまたま乳歯が交換で抜け落ちたので、歯の間が直接見えたものです。
隣に歯があれば決して見ることはできません。
歯茎の境目から少し上のところが、白く濁っています。これがむし歯のできはじめです
だからデンタルフロスでこするのは、歯茎の境から少し上の部分にかけてこすればいいということになります。
デンタルフロスを使うときは、左の写真の白くなっているところをこするように糸を動かしてください。
慣れない人や小さなお子さんは、出し入れだけでもかまいません。
一度だけ出し入れするのではなく、数回繰り返すときれいに磨けます。
また一日一回デンタルフロスを使えば、歯の間からのむし歯はかなり予防できます。
しかし、時々使う程度では、フロスのむし歯予防効果はほとんどありません。
フロスを使う時の注意
次の写真はフロスを通したところです。
この位置でちょうど上の写真の、白く濁っているところに届いているのです。これ以上歯ぐきのほうに押し付けてはいけません。歯肉に傷がつき、フロスをするのを嫌がることになります。
ここから歯の面に押し当て、フロスを前後に動かしながら擦り出してきます。
出し入れするだけではあまりきれいになりません。
これを3回ほど繰り返すと、歯の間はきれいに磨けます。
ホルダー式のフロスは、親が手伝うときも、子どもが自分でする場合でも、とても使いやすいと思います。
タオルで背中をこするように使うのがポイント
慣れてくると左写真のように、歯面をうまく擦れ清掃効果が上がります。
右は出し入れだけなので、清掃効果は低いですが、むし歯になりやすいところの汚れは、ほとんど取れています。
慣れないうちは右のようでもかまいません。
いつからデンタルフロスを使えばいいのか?
デンタルフロスはいつから使い始めればいいのですか?
とよく聞かれます。
答えは、それぞれの歯が隣同士くっ付いたときと言えます。
乳歯の上の前歯なら、1歳半ごろから使い始めるといいでしょうし、乳歯の奥歯は3歳前からはじめるのが賢明でしょう。
また永久歯について言えば、6才臼歯は生えてくれば出来るだけ速やかに使うようにしましょう。
お母さんが小さなお子さんの歯を、フロスできれいにしてあげるときも、ホルダー式のものが便利だと思います。
私が患者さんに薦めているフロスの写真を示しておきます。
これは握りやすいので、小さな子どもでもかなり上手に使ってくれます。
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